沈む月

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来る日も来る日もソレイユはスカイと一緒に過ごした。 ――――――××× そして、いよいよスカイがマーレ国に帰国する日がやってきた。 朝からルーナはソレイユがずっと自分の側にスカイがいることを望んでいると伝えに行っていた。 そして、ソレイユは今、そろそろスカイから良い返事が貰えたころだろうと思い、スカイのいる客室に向かっている。ソレイユが客室につき、扉を開けようとしたその時、 「申し訳ありませんが、どんなに頼まれてもソレイユ様と結婚することはできません」 そう言ったスカイの声が聞こえてきた。 ソレイユは扉を開こうとしたまま、その場で固まってしまった。 「ソレイユ様はとてもお美しくて明るく、まるで太陽の女神の様な方なのですよ?」 ルーナは確認するようにスカイにそう言った。 「確かにソレイユ様はお美しいです」 「では、何故ソレイユ様と結婚できないなどと申されるのです?」 ルーナは少し苛立ちげにスカイに尋ねました。 「それはルーナさん。私はソレイユ様よりも素晴らしい女性に出会ってしまったからです」 「そんな訳がありませんわ。あれほど素晴らしい方は他にはいらしゃらないのですから」 ルーナは今度ははっきりと怒りをあらわにした。 「いいえ、その素晴らしい女性は今まさに私の目の前にいらっしゃいます」 スカイは真剣な顔でルーナを見つめている。 「おっしゃっている意味が分かりませんわ」 ルーナは若干顔を強ばらせ、その場から一歩下がった。 「ルーナさん、あなたがソレイユ様を大切にされているのは分かっています!ですがどうか私と共にマーレ国に来てくださいませんか?」 スカイはルーナが下がった分よりもさらに距離をつめてルーナの手をとった。
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