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ぬいぐるみもなんとかゲットして、大久保の家へと向かう。 時間は、すでに6時半を過ぎている。 家に着いたのはほんの10分前。 家の前に着くと、楽しそうに騒ぐ子供の声が外まで聞こえた。 「はっ。楽しそうだな。きっと誕生日会の準備でもしてんだろうなぁ」 「この年になって恥ずかしいんですが、なんかワクワクするっす!」 そういう桐島は、本当に楽しそうだった。 大久保からは先に入っててもいいと言われてあるし、カギの隠し場所も教えてもらってる。 ドアに手をかけると意外にもカギは開いていた。 ドアを開けると騒ぐ声はより一層大きく聞こえる。 なんとなく微笑ましかった。 ズカズカと入っていくと、子供達の間に見知らぬ女の子が座っていた。 「えっ・・・泥ぼ…!?いや!こないで!」 その女の子は、俺たちを見るなり訳のわからないことを言って、子供達を守るように手を広げた。 「?・・・何言ってるの?愛ねぇちゃん」 よくみれば、うちの中学の制服を着ている。 「え…え?」 のほほんととしている容姿からは想像できないほどの責任感ていうか、子供達を守りたいっていうのが、伝わる女の子だ。 ―――…… 「ご…ごめんなさいっ!私ったら勘違いしたみたいで…。 そっか、この人たちがよく聞く‘桑原さん‘たちなのね。」 子供達が代弁してくれて、なんとか誤解は解けた。 何でもこの吉野は、大久保とは幼馴染で、家が隣同士だから昔から仲が良かったらしい。 そして、親が仕事していてなかなか家にいられない上に、大久保もバイトをしているから、 幼稚園や学校が終わった弟達を帰ってくるまで、面倒見ているらしい。
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