0人が本棚に入れています
本棚に追加
赤い水溜まりが彼の身体を浸し、彼は私に刺されたところを懸命に止血しようとする。
多分、意識が薄れてきたと思うんだけど、彼の手がおぼつかない。
彼の周りある赤い水溜まりに好奇心で手をのばす。
肌触りはサラサラというか液体と感じさせる。
元が色白だから赤がとても良く映える。
なんて綺麗な色なのかしら
何かを連想させる、そんな色ね。
彼の肌も青白く変化していくのがわかる。
それに今の私と彼はお揃いのペイントをしている
白い肌に赤いペイントをあしらってる。
そうだ、この色は―…
『恋の色って、こんな色なんだろうね』
彼はこの私の言葉を聞いた後、頭を赤い水溜まりにつけた。
一応、問い掛けてみたけど反応はなかった。
彼が死んだ後、周りを見渡した。
周りは彼の作りあげた赤い水溜まりが広がっていた。
それを見て、綺麗だなんて思った私は―。
きっと、誰よりも狂っていた。
最初のコメントを投稿しよう!