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赤い水溜まりが僕身体を浸す
その元である刺されたところからは止まることを知らない
僕は止血しようとするが止まらない。
すると赤い水溜まりに彼女の手がのびた。
撫でるように触る手、白い肌に赤い色が映えて、手はべっとりと赤い雫がついている
その手にあしらわれた赤いペイントを見て、彼女は愛しく微笑んだ。
僕の意識もだんだんと薄れていく
そして、彼女が口開いた言葉は
『愛の色って、こんな色なんだろうね』
最後にその彼女の言葉を聞いて僕の意識は
途絶えたのだ。
暗い意識の中で僕は最後に考えた
《所詮、永遠の愛などなかったんだ》
僕が死んでも彼女は何も“ 罪 ”を感じないだろう
きっと彼女は
僕より、
誰より、
遥かに、
狂っていたに違いない。
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