第一話 「首狩り」

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正体不明の青年を店まで運び、自室に寝かせる。改めて彼を見ると……まだあどけなさを残した子供だった。 小柄で、顔立ちは整っている部類に入るが、顔色はかなり悪い。 「取りあえず、寝かせとくか…」 シエザは、寝室に寝かせた後にキッチンに向かう。 夕食の下ごしらえついでに、倒れていた青年に何か食べさせなくてはと考えたからだ。 「お人好しの世話焼き……間違ってねーな」 友人が自分を評する言葉を思い出し、シエザは、トレードマークの赤毛を掻きながら笑った。 「爺さん譲りだからなぁ……世話焼きは」 独り言を呟くと、調理に取りかかった。 夕焼けが近づく時刻……シエザは、再び自室を覗き込む。 件の青年は、ベッドから起き上がり、ボンヤリと窓を眺めていた。彼は、シエザに視線を移す……綺麗なバイオレットの瞳が、印象的だった。
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