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「気が付いたか、気分はどうだ?」
青年に近寄り、声を掛ける。彼は、ボンヤリとした表情をシエザに向けていたが、事を理解したのか、口をひらいた。
「貴方は?」
「ああ、すまねぇ。怪しい奴じゃない。オレは、シエザだ。この店の店主をやってる」
シエザは、にこやかに笑いながら挨拶をかわす。青年は、丁寧に頭を下げると礼を述べた。
シエザは、青年の具合を確認すると、ベッドの傍にある椅子に座る。
「イキナリ倒れ……つか、寝だしたから驚いたぞ」
「3日ほど寝てなかったので…」
青年が、そう話す。シエザは、なるほどと理解した。
3日も寝てなかったなら、顔色も悪いはずである。
「仕事が忙しかったものでして……ご迷惑をかけて申し訳ありません」
「構わねぇよ。ああ、お湯が…」
ヤカンが鳴る音がして、シエザは、椅子から立ち上がり、部屋から出た。
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