第一話 「首狩り」

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珈琲を入れ、食事の用意をしてから再度、部屋に向かう最中に、青年と出くわした。 「おい、まだ休んどけよ、顔色も悪いし…」 「いえ、仕事があるんですよ。お客さんを待たせるわけにはいかないので…」 「お前、自営業でもしてんのか?」 「ええ」 青年は、笑みを浮かべながら、そう返す。 足取りは、しっかりしているが、顔色は悪い……また倒れないか心配になってきたシエザは、青年を送ると申し出たが、彼は、丁重に断り、シエザの店を後にした。 変わった子供だというのが、彼への素直な感想だった。 「……まだ若いのに大変だな。飯多く作っちまったんだがなぁ」 シエザは、頭を掻きながら、部屋に戻っていった。 夕食を取った後、日課になっている夜の散歩に出た。 街灯と月明かりが、夜の街を照らす……こうして見ていると、昼間の賑やかな街と違って見える……そんな雰囲気が好きで、散歩に出ているのだ。
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