第一話 「首狩り」

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「今日は、月がやけに綺麗だな…」 夜空に浮かぶ満月を歩きながら見上げ、シエザは目を細めた。 「爺さんが月を見ながら酒を飲んでたな~」 亡くなった祖父が、月見が好きだったのを思い出しかけた時、悲鳴が聞こえた。 「!?」 悲鳴が聞こえた方を見ると、子供が走ってくるのが見える……まだ幼く、ブカブカの衣服を纏っている。 「どうした?」 「お兄さん、助けて!!」 少年は、涙を流しながら、シエザに抱きついた。 小さな身体は、恐怖からか、震えている。 シエザは、少年の頭を優しく撫で、ゆっくりとした口調で尋ねた。
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