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「逃げろ、まっすぐ走って行けば、民家があるから!」
「……お、お兄さんは?」
「いいから、早く行け!!」
シエザが、大声を出すと少年は、たじろぐが、言われた通りに少年は走り出した。
それと同時に、シエザは、通り魔を睨む。
「よくも狩りの邪魔をしたな」
低くぐもった声をした男がシエザを睨む。
シエザは、近くにあった棒切れを手にとった。
「お前がガキばかり狙う通り魔か!なんの罪もない子供をよく平然と…」
シエザは、怒りに満ちた目を中年男性に向けたが、男は、臆する事なく、高らかに笑った。
「何がおかしいんだ!」
「ハハハ!決まってんだろ……楽しいからだよ、ガキを殺すのが!!」
真っ赤に充血した目を見開き、口元に歪んだ笑みを浮かべた男が言う。
シエザは、男が纏う不気味さと狂気を感じ、鳥肌がたつ……しかし、この男をどうにかしないと、先程の少年やまた被害者が出る。
(体格からすりゃ、オレが有利だ。だが、まずナイフを奪わねぇとな…)
そんな考えをしながら、シエザは、構える。
途端に男が、倒れている死体からナイフを抜き、シエザに素早く近寄る。
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