第一話 「首狩り」

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(首狩り?何だ?そりゃ) 〝首狩り〟 聞き慣れない言葉に、シエザは、首を傾げた。 掃除をするフリをしながら、二人組に近寄る。 「ソイツなら、猟奇事件の犯人を狩ってくれるんじゃないか。まぁ、タダじゃないみたいだがなぁ」 痩せた男性は、ウィスキーを舐めながら言う。 メガネの中年男性は、ため息をついた。 「ジリ貧のオレらに出せないさ、金なんか!……警察に任すのが一番だ」 「……まぁ、首狩りも噂だからなぁ、オイラも噂を聞いただけだしな」 そんな会話を聞き、シエザは気になった。 〝首狩り〟が何かを。 (初めて聞いたな。トムとかなら知ってるか?) シエザは、カウンターにいる髭面の男性……トムの肩を叩いた。 「どした!シエザ~」 「首狩りって何だ?」 シエザが、その台詞を口にした途端、真っ赤だったトムの顔が真っ青になっていった。つまみを食べている隣の小太りの男性……マイクも同様だ。 沈黙している間でも、お構い無しに、客の談笑に混じって陽気な音楽が流れる……友人二人は、数秒かかってようやく口を開く。
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