98人が本棚に入れています
本棚に追加
(首狩り?何だ?そりゃ)
〝首狩り〟 聞き慣れない言葉に、シエザは、首を傾げた。
掃除をするフリをしながら、二人組に近寄る。
「ソイツなら、猟奇事件の犯人を狩ってくれるんじゃないか。まぁ、タダじゃないみたいだがなぁ」
痩せた男性は、ウィスキーを舐めながら言う。
メガネの中年男性は、ため息をついた。
「ジリ貧のオレらに出せないさ、金なんか!……警察に任すのが一番だ」
「……まぁ、首狩りも噂だからなぁ、オイラも噂を聞いただけだしな」
そんな会話を聞き、シエザは気になった。
〝首狩り〟が何かを。
(初めて聞いたな。トムとかなら知ってるか?)
シエザは、カウンターにいる髭面の男性……トムの肩を叩いた。
「どした!シエザ~」
「首狩りって何だ?」
シエザが、その台詞を口にした途端、真っ赤だったトムの顔が真っ青になっていった。つまみを食べている隣の小太りの男性……マイクも同様だ。
沈黙している間でも、お構い無しに、客の談笑に混じって陽気な音楽が流れる……友人二人は、数秒かかってようやく口を開く。
最初のコメントを投稿しよう!