第一話 「首狩り」

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翌日……シエザは、朝早く目を覚まし、適当に朝食を食べ、身支度をして買い出しに向かう。 天気が良く、暖かい日差しを浴び、清々しい気分になった。 「今日は、雑貨屋も酒屋も休みだし……買い出しして、どっかで昼飯でも食うかな」 市場へ向かう最中、いつもなから、子連れで賑わう市場も、子供が全く見えない……壁や掲示板に、子供狙いの殺人鬼に対する注意書きがあり、それにシエザは、チラリと目をやるとため息をついた。 「全く、警察も仕事しろよな~。市民の味方だろうに…」 あれだけ、派手な犯行に関わらず、未だに捕まらない犯人……ブツブツと文句を言いながら、シエザは、市場で必需品や食料を買い込む。 馴染みの店で食事を済ませ、家路に向かう。 ふと、前方から人影が見える。 それは、フラフラとした足取りで、こちらへとやってくる。
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