第一話 「首狩り」

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「……何だ?酔っ払ってんのか?仕方ないな」 あのまま放っておいたら、その辺で倒れかねない。下手すれば、スリに身ぐるみを剥がされかねないし、変な奴に絡まれたら大変だと思い、シエザは小走りに近寄る。 「お前、大丈夫か?」 青年の肩を掴み、声を掛ける。よく見れば、かなり若い……十代後半の年齢か、真っ黒な髪は、やや長く、上下とも黒服だ。唯一、身につけている質素なコートのみが白い。 身なりからして、スラム街の住人っぽかった。 「酔ってんのか?気分でも悪いのか?……帰れそうか?」 「……」 青年は、うつむいてるので、表情は分からない。 それに、何も答えない。 「おーい。何か…」 青年に再び声をかけたのだったが、シエザが手を放した僅かな隙に、謎の青年は、地面に勢いよく倒れた。 「すまねぇ、大丈……」 そのまま、全く動かない……代わりに寝息が聞こえてきた。 「道端で寝るなぁぁぁ!!」 シエザの絶叫が響いた。
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