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『ねぇ、そらと私、どっちが好き?』
『えっ…』
『言えないの?』
『別れよう。今の葵空には「ありがとう」、とは言えない。謝る気もない。さようなら。』
『ちょっ…待ってよ!!僕が…』
[ガチャンッ!!!]
香穂奈が葵空と呼んだのは、最初で最後だった。いままでは優しい声で「葵空くん」って呼んでくれてたのに。
香穂奈は中学2年の時に同級生として出会い、お互いに引かれて初めて付き合ったのが、香穂奈だった。それから1年後の今日、僕は初めてフラれた。
香穂奈が居なくなった部屋はとても静かで、冷たかった。
来年からは高校生活が待っている。しかし2人は別々の高校に行く事になっていた。前から「遠距離恋愛はイヤだ」と言っていたから別れたのか。
それとも……
まさか……
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