第十二幕

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壬生寺に着いた莉亜は、朔次郎を待っていた。 莉亜 「コソコソしてないで、出て来たら?……稔麿…」 吉田 「やっぱりバレてたかぁ…流石だね」 そう言って吉田は、木の後ろから姿を現した。 莉亜 「どうしたの?稔麿が会いにくるなんて…」 吉田 「ちょっとね~。莉亜に会いたいなぁって(笑)」 莉亜 「稔麿がそんなこと言うなんて、明日は槍が降るんじゃない?」 吉田 「酷いなぁ…;;まぁ、いいや。ねぇ…何か良い情報は掴めた?」 莉亜 「ん~…あまり;;まだあまり信用されてないみたい…」 吉田 「どういう意味?」 莉亜 「そのままの意味よ。あの鬼の副長さんがねぇ…私を半分信用して、半分疑ってるわ。たまにだけど、監察方の山崎が私の行動を監視してるの…女中になって初めの頃なんて、お風呂と厠以外絶対に私から目を離さなかったのよ…」 吉田 「壬生浪の副長は鋭いからね…あぁ、本当邪魔だよね。土方って…アイツのせいで俺らもあまり動けないんだよ…。あと、もう一人厄介なのが山崎烝だね」 莉亜 「うん…。大したことないと思ってたけど…案外ね。油断したら殺られるわよ…」 吉田 「そうだね。…ねぇ、莉亜?」 莉亜 「何…?稔麿」 吉田 「幕府の犬なんかのところにいないで、帰ってきてよ…」 莉亜 「…………ごめん。今は、まだ…」 吉田 「そっか…」 吉田は悲しそうな表情をした。 .
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