第二幕

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女将が出て行って 暫くしてから 男が入ってきた。 「入る前に一言く「晋兄~!!!♪」」 稔麿の声を無視して 莉亜は大喜びで 入ってきた人に 抱き付いた。 「莉亜!久しぶりだな♪」 谷 梅之助… 莉亜には晋兄と呼ばれた この男こそ 高杉 晋作だった。 高杉は長身に 短髪でかなりの美男だ。 今思ったら 私の周りって美男が 多いわよね…; などと一人で思っていた。 「ねぇ…俺には挨拶ないわけ?」 そう声を発した吉田は かなり黒い… 真っ黒な空気を身に纏い それは、それは 真っ黒な笑顔を高杉に 向けていた。 「………;;」 高杉はそんな吉田に 苦笑いをし 冷や汗ダラダラだった。 「ねぇ…晋作?聞いてるの?」 そう問い掛ける吉田に 高杉はコクコクと勢いよく 首を上下する。 「よかったぁ♪…久しぶりに会った晋作のその耳は飾り物かと思ったよ~♪」 ニッコリと笑うが 目は笑っていなかった。 とばっちりがこないように 莉亜はいそいそと部屋を後にし 隣りの自分の部屋へ 戻った。 あっ、いくらなんでも 私と稔麿は同じ部屋 なんかじゃないからね? 昨日は“たまたま”稔麿の部屋で寝てただけだからね? .
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