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女将が出て行って
暫くしてから
男が入ってきた。
「入る前に一言く「晋兄~!!!♪」」
稔麿の声を無視して
莉亜は大喜びで
入ってきた人に
抱き付いた。
「莉亜!久しぶりだな♪」
谷 梅之助…
莉亜には晋兄と呼ばれた
この男こそ
高杉 晋作だった。
高杉は長身に
短髪でかなりの美男だ。
今思ったら
私の周りって美男が
多いわよね…;
などと一人で思っていた。
「ねぇ…俺には挨拶ないわけ?」
そう声を発した吉田は
かなり黒い…
真っ黒な空気を身に纏い
それは、それは
真っ黒な笑顔を高杉に
向けていた。
「………;;」
高杉はそんな吉田に
苦笑いをし
冷や汗ダラダラだった。
「ねぇ…晋作?聞いてるの?」
そう問い掛ける吉田に
高杉はコクコクと勢いよく
首を上下する。
「よかったぁ♪…久しぶりに会った晋作のその耳は飾り物かと思ったよ~♪」
ニッコリと笑うが
目は笑っていなかった。
とばっちりがこないように
莉亜はいそいそと部屋を後にし
隣りの自分の部屋へ
戻った。
あっ、いくらなんでも
私と稔麿は同じ部屋
なんかじゃないからね?
昨日は“たまたま”稔麿の部屋で寝てただけだからね?
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