第十二幕

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吉田 「………それはそれは」 莉亜 「何よ。その呆れた顔は…」 吉田 「いいえ。何も?」 莉亜 「何かムカつく」 吉田 「最高の褒め言葉をありがとう」 莉亜 「別に褒めてないわ」 吉田 「俺にとっては褒め言葉だよ」 莉亜 「フッ…相変わらずだね。……ねぇ、稔麿?」 吉田 「何?」 吉田は首を傾ける。 莉亜 「逃げなくていいの?」 吉田 「何故?」 莉亜 「朔次郎が来た…」 莉亜は、朔次郎の気配がすることに気がついたのだ。 吉田 「知ってる」 吉田は平然としていた。 莉亜 「朔次郎は壬生浪の隊士よ?仮にも貴方は長州藩士なんだから…」 吉田 「弱い下っ端の隊士でしょ?そんなの俺の敵じゃないよ」 吉田は鼻で笑った。 莉亜 「相変わらずの性格だね」 朔次郎 「莉亜さぁぁん!」 すると向こうから朔次郎が走って来た。 .
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