第二幕

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有り得ない! 有り得ない! 最低! 助平野郎! 変態! せっかく晋兄が 来たから 久しぶりに舞でもしようと思って着替えたのに… と、普段着るような着物とは違う 高そうな振り袖を着ていた。 「ハァ…」 溜め息を吐きながら 莉亜は京の街を歩いていた。 「えんらい別嬪なお嬢ちゃんやなぁ//」 「あんな別嬪な女子は見た事がありまへんわ//」 「遊郭の遊女やろか?//」 「天女様みたいやなぁ//」 と、街行く人々は 男女問わず 顔を赤く染め 口々に言っていた。 うぅ… 視線が痛い;; 私、何かしたかなぁ? と思いながら 莉亜は小物屋に入った。 「いらっしゃ…///」 店の男は莉亜を 見た瞬間 顔を赤くし、固まった。 「どうしたんどすか?」 莉亜は優しく 問い掛ける。 莉亜は正体を隠すために 人前では京弁を話しているのだ。 「………」 「あの~…大丈夫どすか?」 何で固まってるの?! 私何かした?!; 「うち、何かしてしもたやろか…」 そう呟いた莉亜に 店の男がいきなり 首をブンブンと 左右に振った。 「いえ!!//ただえらい別嬪な女子なんで…//」 「…おおきに」 莉亜は一瞬 目を見開き、驚いたが すぐにフワリと優しく微笑み お礼をいった。 「っ…////」 莉亜の微笑みに 男は更に赤面した。 「ほな、これ頂きますさかい。お勘定お願いしますえ」 莉亜は薄い桃色に 濃い桃色を使った 桜の綺麗な簪を男に渡した。 その簪は揺れる度に シャラン… シャラン… と綺麗な音が鳴る。 「はっはい!//」 男は店の中へ入っていった。 .
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