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有り得ない!
有り得ない!
最低!
助平野郎!
変態!
せっかく晋兄が
来たから
久しぶりに舞でもしようと思って着替えたのに…
と、普段着るような着物とは違う
高そうな振り袖を着ていた。
「ハァ…」
溜め息を吐きながら
莉亜は京の街を歩いていた。
「えんらい別嬪なお嬢ちゃんやなぁ//」
「あんな別嬪な女子は見た事がありまへんわ//」
「遊郭の遊女やろか?//」
「天女様みたいやなぁ//」
と、街行く人々は
男女問わず
顔を赤く染め
口々に言っていた。
うぅ…
視線が痛い;;
私、何かしたかなぁ?
と思いながら
莉亜は小物屋に入った。
「いらっしゃ…///」
店の男は莉亜を
見た瞬間
顔を赤くし、固まった。
「どうしたんどすか?」
莉亜は優しく
問い掛ける。
莉亜は正体を隠すために
人前では京弁を話しているのだ。
「………」
「あの~…大丈夫どすか?」
何で固まってるの?!
私何かした?!;
「うち、何かしてしもたやろか…」
そう呟いた莉亜に
店の男がいきなり
首をブンブンと
左右に振った。
「いえ!!//ただえらい別嬪な女子なんで…//」
「…おおきに」
莉亜は一瞬
目を見開き、驚いたが
すぐにフワリと優しく微笑み
お礼をいった。
「っ…////」
莉亜の微笑みに
男は更に赤面した。
「ほな、これ頂きますさかい。お勘定お願いしますえ」
莉亜は薄い桃色に
濃い桃色を使った
桜の綺麗な簪を男に渡した。
その簪は揺れる度に
シャラン…
シャラン…
と綺麗な音が鳴る。
「はっはい!//」
男は店の中へ入っていった。
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