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「しかし、こうも幕府の人間ばかりを殺しているとなると…やはり紅蝶は長州側の人間なのか…」
「ま、そう考えるのが妥当だろぉなぁ……山崎」
土方は天井を見上げ
山崎…と呟いた。
―カタン…
すると天井の一部を取り外し
スタッと降りてきた。
「なんや?土方はん」
降りてきた男は
短髪で真っ黒な忍装束を着ていた。
これまた、なかなかの美男だ。
そんな彼の名は
山崎 烝
優秀な監察方だ。
「山崎…まだ紅蝶の正体がわからねぇのか?」
「俺かて頑張っとるんやけどなぁ…なかなか優秀なやつや。何の手掛かりもないんですわ」
「紅蝶は忍なのかい?」
「忍だと?!」
近藤の問い掛けに
土方は声を張り上げる。
「近藤はんの言う通りですわ…まぁ、なんせ正体暴くには何か手掛かりみつけなあかんさかい…もうちょい時間かかりますわ」
「山崎…お前から見て、紅蝶は長州側の人間だと思うか?」
「………そうやろなぁ…なんせ幕府の人間を殺してるさかい、そう考えるのが妥当やろな」
「そうか…」
土方はそう呟き
腕を組む。
「山崎…ご苦労だった。引き続き、紅蝶の情報収集に行ってくれ」
「御意」
土方に言われて
山崎はまた天井裏に
姿を消した。
「ふぅん…アイツが山崎烝…か。要注意だ」
不適な笑みを浮かべながら
天井裏に潜み、土方らの会話を聞いていた人物がいた。
「さてと、帰りますかぁ。早く帰らないと稔麿に怒られるや…」
そう…
その人物こそ
白羽 莉亜だった。
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