悲しさと孤独

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西暦2060年 8月30日 午後5時30分 夕日が教室全体に差し込む。 一番後ろの窓側の席に座り夕日を見つめている男がいた。 男の名は、黒瞳孤独。(コクドウココウ) 1人だけが教室に残っていた。 なぜ1人だけなのかというと、弧光を除く生徒達は皆、放課後のチャイムが鳴った途端、一斉に友人やら恋人などと教室から颯爽と消えていったからである。 友人が少ない弧光にとって放課後は暇で退屈な時間なでもあった。 家に帰っても誰もいないし。 両親、そして妹はこの腐り果てた世界、日本によって消されたのである。 「いつかこの世界を…」 教室でポツリと呟くその言葉、表情には『孤独』しか映っていなかった。
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