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「実はさ 僕にも、ちょっと解らないことがあってさ。せいちゃんなら解るかなと思って電話してみたんだ。今まで電話しなかったのは…せいちゃん進学校へ行っちゃったでしょ?
だから忙しいかな~と思ってさ」
「バ・バカ お前がそんなことでいちいち気にしないでいいんだよ。それにお前だって、その気になりゃ俺のいる学校なんか普通に来れたろ?で、あゆむに解らないことって何だ?好きな女でも出来たか?」意地悪そうな口調で快晴は言った。
「せいちゃん それわざと言ってるだろ?残念ながら女の子じゃないよ。実はさ 図書館やインターネットで調べたんだけど、何処にも載ってない言語をたまたま見つけちゃって、それが何を意味してるのか全然解らなくって…」
「何!?ホントか?あゆむ。ちょっとお前今何処にいる?」
快晴の声のトーンが明らかに変わった。
「あぁ今は図書館に来てるけど…何?」
「ちっ今日は今から塾だから、あ・明日土曜日だしあゆむ空いてるか?なんなら俺がお前んちに行ってもいい。なっ頼むよ~今行ってる塾とか学校とかって刺激になるもんがないんだよ。なっ?」
「どうせダメだって言っても来るでしょ?それに久しぶりにせいちゃんとも話したいしさ」
「解った。絶対行くから 死んでも行くから あゆむ明日お母さん居るのか?なんか土産持って行かなくていいか?」
「持って来なくていいから 母さんは明日から社員旅行らしいからせいちゃん気兼ねなく来ればいいよ。で、何時頃来るの?」
「明日お前んちさえよければ、10時くらいには行きたいんだけど…」
「いいよ その時間で」
「じゃあ10時な」
「それじゃせいちゃんまた明日 じゃあね」
「またな 絶対行くから じゃあな」
「はいはい 解ったからまたね」
そうやって電話を切った。
誰かとこんなに話したのは歩にとっては久しぶりだった。
改めて考えると、歩にしか認識できないあの黒い物体をどう説明すべきかちょっと悩んだ。
快晴への説明は後でいい。とりあえずは何か適当な言い訳でも言っておいて後からホントの話しをすればいいと…
明日はきっと寝坊なんかできないな。
せいちゃんは多分10時前には来るだろう。そう思いながら眠りについた。
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