そして

2/2
前へ
/9ページ
次へ
気が付くとその大きなトラックは私の前からいなくなっており、積もった雪の上に座り込んでいた。 通りは暗く、私以外の人は見えなかった。 重い腰を上げ、立ち上がる。 そんな時、遠くの方に小さな光が見え、妻と我が子の声が聞こえてきた。 私はその光へと走っていった。 しかし、そこには何もなかった。 私は家へと歩いていった。 かつて妻と我が子が私の帰りを待っていた明るいあの家へ。 しかし今はもう、誰もいない。 家へ着き、中へと入っていく。 今日はいつもより冷える。 雨戸を閉めるために外へ出た。 庭にも多くの雪が積もっている。 そんな中、真っ白な庭に一輪の黄色い花を見つけた。 私はその場にしゃがみこみ、その花をただただ漠然と眺めていた...。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加