プロローグ

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 かつてこの世界は緑豊かな素晴らしい世界であった。  しかし人類の中にある罪はそんな豊かな世界を食らいつくそうと生み出してはいけない存在を生み出してししまった。  その存在の名は『女神イグニス』、彼女の生み出す風は大地を蝕み世界を崩壊へと導いていった。  人類は自分達の罪を償うためイグニスに戦いを挑んでいった。  しかしその圧倒的な力の前では人類の力などいくら集まろうが無いに等しく、世界が滅ぶのも時間の問題だと思われた。  その時、十人の英雄達が人類の前に集結した。  彼らは古より伝えられてきた『魔術』を人類に伝え、人類はその魔術と科学を掛け合わせた新たな力『魔導科学』造り上げた。  新たなる力を手に入れた人類は古の英雄達と共に『女神イグニス』に対し反撃を開始し、数多くの犠牲の先に、ついに『女神イグニス』を無限牢の奥に閉じ込めることに成功した。  永きに渡り繰り広げられたこの戦いは後に『イグニス大戦』と呼ばれ、この戦いを勝利に導いた十人の英雄は『聖騎士』として語り継がれていくことになる。  この大戦で新たなる技術を手にした人類は、この技術を用いて様々な分野で急激な発展を遂げ、世界は大戦前とは比べものにならないほど様子を変えていった。  それに伴い『魔導科学』を管理する『世界情報管理局(カンパニー)』という組織が結成され、世界はこのカンパニーを中心に動いていく時代に突入した。  カンパニーの独裁政治の開始から数十年の時が流れ、『魔導科学』主体となった世界は個人の能力の差が世界そのものに大きな格差を生んだ。  世界各地ではその横暴ともとれるカンパニーの政治への不満が大きくなり、そして遂にカンパニーからの独立を掲げた『ミッズカルド連邦』がカンパニーに反旗を翻し、カンパニーと『ミッズカルド連邦』による戦争が勃発した。  この戦争は人類同士で初めて『魔導科学』を用いた戦争となり、この戦争はミッズカルド連邦を壊滅させたことにより終結し、後にこの戦争を『第一次魔法大戦』と呼ばれることになる。  この戦争に勝利したカンパニーは「刃向かう者は完膚無きまでに殲滅し、存在そのものを消し去らん」という理念を世界に知らしめることとなった。
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