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――――こうして。
私の初恋は幕を閉じた。
後日、カリナからの電話で、トシがお父さんの仕事の都合でアメリカに引っ越したことを告げられた私は、少し驚いたけれど。
トシが言いたかったことはこのことだったのかと、意外にも冷静なことを考えていた。
エリさんは学校を辞めてしまったらしい。
嬉しいような。淋しいような。
言いようのない複雑な気持ちになった。
しばらくして、先輩が県外の大学に進学が決まったと聞いた日。
私は何故かそわそわしてなかなか寝付けない夜が続いたけれど。
気付けば、いつもとなんら変わらない日常を送っていた。
何も変わらない。
教室。
机。
図書館。
そして……茶道室。
何も変わらないはずなのに、茶道室の前を通るたびに、私の心はぽっかりと穴が開いたように切なくなった。
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