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・・・この男、安田孝明。
国内でも有数のグループ会社に勤める言わばエリートサラリーマンである。
安田は今日、出張で地方のN県のS町へ来ていた。
駅を出ると、駅前らしくロータリーやバス乗り場はあるものの、のどかな田園風景。
「なんもねぇとこだなぁ・・・」
安田はつぶやいた。
時間を確認しようとすると、携帯は圏外。
安田はため息を一つ吐くと、目的地へ向かって歩き始めた。
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用事を済ませた安田は、タクシーを呼んでもらい、駅へ戻ってきた。
駅の待合室で待つこと20分、時刻表では乗る予定の列車がそろそろ来るはずだった。
安田が、改札を通ってホームに入ると、構内アナウンスが聞こえる。
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