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安田が腰を降ろすと、遠くから汽笛が聞こえてくる。
徐々にに大きくなってくるシルエットは、この田園風景に不釣り合いな、パンタグラフの電線をものともしない帆船だった。
まじまじと見つめる安田。
なるほど、「八百万」だけあって、帆船あらため宝船といったほうがいいのかもしれない。
無論、乗っているのは、あれはエビスか大黒か?と姿を探していると帆船改め、宝船は出発、いや「出航」してしまった。
「なんなんだ、この駅は・・・」
あいた口が塞がらない安田。
"間もなく、特急「スーパーあずさ」が到着します。白線の内側でお待ちください。"
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