第2章・ペン

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俺は小説家の武佐田勲(むさだ・いさお)。 まだまだ売れない小説家である。 しかし、ある時を境に俺の生活は一変することになる。 その日、いつもとは違う、真紅に輝く万年筆を手に取った俺は、原稿用紙と対峙していた。 面白い話が思いつかず、気分転換につけたテレビでは、「ウルトラマン」を放送していた。 「気分転換にはいいか・・・」 そう、軽い気持ちでウルトラマンを題材に話を書いてみることにした。 俺の書いたシナリオは、こうだ。 "夕日に対峙するウルトラマンと手はハサミの形をした異星人。 人々が逃げ惑う中、ウルトラマンは全く手も足もでず防戦一手だ。しかし、少年の一言ですっくと立ち上がり、必殺光線で異星人を倒し、飛び去っていく" すると・・・ 途端に大きな地響きが起こった。 地震と錯覚した武佐田はたまらず家を飛び出した。 すると、目の前では自分が書いたのと全く同じ光景が繰り広げられていた。
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