姫様に恋したドラゴン

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昔、ある湖にとても大きくて恐ろしい姿をしたドラゴンが住んでいました。しかし、彼は優しい心を持っていたので、昼間は決して姿を見せず、夜の限られた時間だけ空を飛んでいました。 さて、そのドラゴンが住む湖を領地に持つ貴族には、大変見目麗しい姫様がいました。姫様はとても大切に育てられ、城の一角以外には決して出してもらえませんでした。 ある日、姫様はほんの気まぐれから、夜にバルコニーへ出て小さく灯る星を眺めていました。その日はドラゴンも空を飛んでいて、姫様の姿を見てしまいました。 ドラゴンの目は夜闇など関係ないですから、姫様の美しい姿を昼間と同じようにはっきりと見ることが出来たのです。ドラゴンはその姿を一目見ただけで、姫様に恋をしてしまいました。
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