愛語

私だけの物語

　夏休みのある日、甲斐谷智大は言った。

「今夜、星を見に行こうっ!!」

　甲斐谷智大が珍しく気のきく提案をしたので、彼ら彼女らはその日の夜に天体観測に行くことにした。

「甲斐谷もたまには良いこと言うんだなっ」

　そんな彼ら彼女らの輪の中に篠村由佳里はいた。