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「あれが『デネブ』で、あっちのが『アルタイル』で、あそこにあるのが『ベガ』」
甲斐谷智大は夜空を指差しながら、隣に座る篠村由佳里に、楽しそうに声を弾ませて説明する。
「甲斐谷くんは、たくさん知ってるんだね」
「天体観測好きなんだよ」
楽しそうな甲斐谷智大の隣で、篠村由佳里は何も言えずに、ただただ隣に座る甲斐谷智大を見つめるだけだった。
そんな甲斐谷智大は、隣に座る篠村由佳里を見つめながら言う。
「瞳を閉じて、星たちの音を聴くんだ。」
言い終え、一瞬世界に２人だけの空間が出来る。
しかし。
「なんて、自分で言っときながら恥ずかしい台詞だよな」
甲斐谷智大は、星空に目を移し寝ころびながら言う。
「智大。私シート持ってきてるけど使う？」
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