きっと恋だから

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「前田。あ、あのさ………」 オレ、篠田祐史は、昼休みクラスメートの前田愛佳に声をかけた。 「ん?なに、篠田くん」 椅子に座る前田、一方オレは立っていたので、必然、前田はオレを上目遣いで見つめる。 「あ、いや。今度の日曜日、吹奏楽部のコンサートあるって言ってたから………」 途端、前田の顔がいつもの倍以上輝いた。 「もしかして、来てくれるのっ。嬉しい~♪」 「あ、うん。行こうと思ったんだけど、チケットが取れなくて………」 前田の勢いに若干押されながらも、オレはなんとか用件言う。 「あっ…………そっか。もう完売しちゃったんだった。」 輝いた表情が、今度は一気に暗くなって俯いた。 思わずつられて俯いてしまった。 「あっ、でも。私なんとかして、篠田くんがコンサート見れるようにしてみるからっ!!」 しばしの沈黙のあと、前田がまた表情を輝かせた。今度は何かの決心がその表情に見える。 「で、出来るのかっ?」 「うんっ!!なんとかするからっ」 「でも、完売したんだろ?」 「まぁ、でも任せてよ。私、こうみえて吹奏楽部副部長なんだよ~。」
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