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「裕翔、後ろ癖ついたまんまだよ」
圭人はそう言って
慣れた手つきで
俺の髪をアイロンで
はさんだ。
「ほんとに?やっぱり俺って不器用なのかな」
「んー。裕翔の髪はクセ強いからね~しょうがない。」
美容師に憧れたことも
あるという圭人は
頼んでもいないのに
嬉しそうに
髪をセットしてくれる。
熱々のコテを髪に
当てるたびに、
わずかに聞こえる
ジューッとどこか
美味しそうな音。
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