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「ここにいる」
アタシの気持ちをわかってくれたかのようにうなずいて、胸元で力なく握られたアタシの手を灯くんの手に包まれた。
思い出した。
昔からアタシが熱を出して寝込むと、お母さんが止めるのも聞かないで灯くんはこうやって手を握っていてくれた。
ちっとも変わらない優しい灯くん。
変わったのは手の大きさ。
昔はアタシと同じくらいだったのに、いつの間にかアタシの手がすっぽり収まってしまうくらい大きくて男の人の手になった。
「灯くん……」
呼べば「ん?」と返事が返ってきた。
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