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ため息。
携帯という文明の利器があるのにも関わらず、連絡すら寄越さないアイツに軽い苛立ちを覚えた。
「そっか。じゃあ、帰ろうか」
アイツがいないなら、俺がここにいる理由もない。
言いながら座っていたベンチから腰をあげると、春海が大きな目をより大きくして俺を見上げた。
「え? 映画行かないの?」
「……」
何を考えて言ってるんだろう。
どこの世界に彼氏の親友と2人きりで映画を見に行く女がいるんだ。
だいたい、アイツがそれを許すわけがない。
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