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ふわりと香る甘い匂い。
それがシャンプーなのか、香水なのかはわからないけれど、俺の気持ちを掻き乱すには十分な材料だった。
「和樹くんと2人って新鮮だね!」
無邪気に笑う春海。
今だけはその笑顔が俺だけに向けられていることが堪らなく嬉しい。
何をするにも目を輝かせる彼女が愛しくて仕方がない。
あぁ……
きっともう止まらない。
坂を転がり落ちるボールのように、俺の気持ちは急加速を始めたのを自覚した。
このままどこまでも転がって、底のない闇に落ちる。
きっとそれが俺の運命。
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