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そんな調子でいくつかぬいぐるみを取ってあげれば、いつの間にか春海の腕はぬいぐるみでいっぱいになっていた。
「そろそろ帰ろうか」
「うん」
ゲームセンターから出れば空はもう暗く、時間を忘れて遊んでいたことを示していた。
「……」
無言で歩く駅までの道。
ゆったりした歩調は、彼女に合わせているからなのか、それとも離れがたいと思ってしまう心情の表れなのか。
もう少し一緒にいたい。
そんな言葉は声にならずに消えた。
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