第2話.遠き異世界

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「‥‥はぁ。ここがどこなのかわからないし、那岐は居ないし。どうしよ?」 何もない空間。 何も起こらない勾玉。 一緒にいた幼なじみは、いつの間にか居ない。 困ったな‥‥。 「せめて、この勾玉がまた反応でもしてくれたら良いのに…」 そっと右手で紅の勾玉に触れる。 色とは違ってひんやりとした感触。 その心地良さに頬がゆるみ、完全に勾玉を掴んだ刹那――。 ――……見つけた ――…異世界の少女… 「…え?……きゃっ!!!」 掴んだ右手から、紅の眩い光りが溢れる。 私は目も開けられず、またもや目を閉じ、無意識に手の中にある勾玉を、両手で包み込むようにしていた。 鈴の音が導くように鳴り出すと、急に何かに流される感覚に襲われる。 光りとともにあたりの風が渦巻いて、私は意識を失った。 .
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