第2話.遠き異世界

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+++ 「………ん……」 寒い。 最初に感じた寒さに、私は「…くしゅん!」とくしゃみをして目が覚めた。 「――ここ、は……」 もう一度目を開けると、さっきの変な空間じゃなかった。 私はゆっくり体を起こし、あたりを見回した。 「………なに、これ」 見たこともない古い家がたくさん。 江戸時代のような、時代劇で見たことある建物が並んでいる。 道行く人は昔の着物を着ていて、私をじろじろと見ていた。 どうやら私は道の真ん中で座り込んでいたようだ。 だが、そんな視線を気にする余裕なんて既になかった。 「……っ何?どういうこと……え?」 私は、まわりから空へと顔を上げた。 夕闇から薄闇になる頃合い。 「……」 急に不安が襲った。 知らない家、知らない服、知らない空。 夜景を作るあの灯(あか)りが、見当たらない。 どこかの田舎?という考えは、すぐに消えた。 だって、だって、あり得ない。 .
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