蜂蜜アワー!

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テレビを消して カーテンを閉めて 夕食はさっき、早めに済ませた 風呂も入ったし、歯磨きも。 「美味しかったなぁナポリタン」 「ありがとぅ…」 眉を下げた彼は 暖かそうなマフラーをスーツケースの横に置く 「はつゆきって…てれびゆってた」 「向こうはもう冬なのかなあ」 「ふふ…かもねぇ」 無理して笑う素振りをした空くん そんな彼を見て 胸がぎゅうっと痛くなった 「…かぜひかないようにね」 「うん。気を付けます」 「ちゃんとごはんたべて」 「…空くんのご飯がいいなぁ」 北海道は海鮮ばっかだろうな… ソファーにドスンと座ると ゆっくりと隣に座って俺の腕を抱き締める 「…さみしい」 「うん…空くんにキス出来ないなんて」 一週間も離れるなんて初めてだ しかも北海道とか… 飛行機怖ぇなあ… じゃなくて。 「きす…」 「ん?」 「…して?」 「っ…」 「できないから…いまして?」 間近で見つめられて 我慢出来た試しが一度もないけど あまりにも泣きそうな顔をするものだから 目の前の髪をかき揚げて 額に優しくキスをした .
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