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仕事が終わって楽屋まで
廊下を二人並んで歩く。
少し前には修さんと純くん。
何を話してるのかは聞こえないけど。
風間さんはさっき
仲の良いスタッフと盛り上がってたっけ…
「あついね」
「ね、最近ね」
局内は冷房がかかっているのに
隣の人は額に汗が滲んでいた。
繋いだ手にも
水分が纏っているのが分かる。
「すずし~」
楽屋に戻って
大きなエアコンの下で
風を浴び始めた。
「もう夏?」
「でもまだ五月だぞ」
アイスコーヒーを飲みながら
新聞を手にする純くん。
胸の開いた七分のTシャツが
良く似合ってる。
「やすもおいでよ」
「ちょ、」
立ったままでいた俺の手を
ゆっくり握って引っ張るりーだー
「別に、アンタほどじゃないよ」
嬉しくて仕方ないのに
俺は落ち着いたフリをして
その横に立った。
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