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りーだーのアイスが溶け始めてる
「うや、おれの」
別に食べ物は残さない主義
とかじゃないけど
アンタのだから。
「溶けるじゃん」
回りが柔らかくなった白いアイス
こうやって
アンタへの想いも溶けてしまったら…
残った液体は不味いだけ。
そんなんでも
美味いっつって食べてくれる
りーだーだから。
目の前にある綺麗な指を握った。
「電話切ってよ。今は俺との時間だろ?」
もういっそ、溶けてしまいたい。
食べてよ
俺の気持ちも。
「ふふ…ごめんね。やすがきれって」
そうやって電話を切ってくれるりーだーが好き。
俺の我が儘はいつも聞いてくれる。
年下で可愛いって
こいつは俺のこと
そう思ってるから。
「で?」
「…ん?」
「ふたりのじかんなんでしょ?」
なにはなす?
そう言って俺の手から
溶けたアイスを奪う。
手が近づいてくる、と思ったら
口にくわえたままだったスプーンも取られた。
「…別に。アンタが顔赤くしてるから」
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