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数日後、信人は、いつも博哉がいる教室から一人、
外にいる、真貴と新しい恋人を、眺めていた。
「あれが、新しい恋人か。真貴さんが、幸せだといいな」
そこへ、飯塚先生が入って来た。
「信人」
「あ、先生」
信人は、嬉しそうに振り向くと、先生に近づく。
「もう、いいのか?」
「はい、もう大丈夫です」
そこへ、風間先生が入って来た。
「お前ら、あんまりベタベタするなよ?」
「何を言ってんだ。お前こそ、博哉とくっついてんじゃねえか」
風間先生と飯塚先生の、そんなやり取りに信人は笑った。
あの日から、信人は少し変わった。
もともと、穏やかな性格で優しい信人だが、明るく前向きな考え方をし始めていた。
「先生、今度の休み、家に遊びに行ってもいいですか?」
「ああ、いいよ。いっぱい可愛がってやるよ」
ニヤリとする飯塚先生に、満面の笑みを向ける信人だった。
END
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