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タッタッタッタ…
眩しい日差しと、この街の柔らかな雰囲気が私を包み込む中、私は一人急いでいた
御堂 咲良(ミドウ サクラ)
今年17になる高2
肩書きとして関東にまで上り詰めたチームのリーダーをしているが、そんなことどうでもいい
私はただ、この街が安全ならそれでいい
なかなか長い間走っているせいか、額から汗が一筋流れる
全身に受ける風は心地よいけど、そんなのに構っていられないくらい私は急いでいた
角を曲がって路地裏に入る
昼間にも関わらず、気味の悪い薄暗さに小さく舌打ちすると携帯を取り出した
咲「次は?」
『10メートル進んで左、そのあと古いバーを右に曲がって50メートル。右手に小さなスペースがあるから、そこで陽介(ヨウスケ)と落ち合って』
咲「え、陽介?私一人で大丈夫って言ったじゃない」
一つ目の角を曲がりながら、電話の人物に小さく反抗すると、クスリと小さな笑い声が聞こえた
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