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───…
「ギャハハハハハハハハ!!何だよ、陽介!!お前の顔!!ひでぇー!!」
咲「うるさいわよ、馬鹿」
現在地は都心から離れた廃工場
目の前にはギャハギャハと煩い馬鹿、もとい夏樹(ナツキ)とぷくっと頬を腫らした陽介
手にしっかりと持たれたDVDが憎たらしい
夏「何!?咲良がやったの!?マジで腫れすぎだろ!!陽介、お前何やったんだよ!!」
デカい声で笑いながら陽介に話し掛ける夏樹
陽介は少し目に涙を溜めながらDVDを悲しそうに見ている
腫れた頬は確かに痛そうだが知るか。自業自得でしょう───誰がやったか?もちろん、私よ
咲「私がどれだけ走ったと思ってるの、30分よ?30分全力疾走よ!?」
少しヒートアップしながら夏樹を見据えると、夏樹は更に笑い声を上げる
夏「ギャハハハ!!馬鹿だろ、陽介!!そりぁオメェが悪ぃな!!」
ビシッと陽介を指さして夏樹が断言すると、陽介はますます泣きそうに顔を歪ませた
陽「だって…、限定版だぞっ!?」
バッと立ち上がってDVDを掲げた陽介
『限定版!!』とデカデカと書かれたDVD
だけどそれは今、私を苛立たせる、ただの材料にすぎない
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