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咲「うっさい、今すぐこのコンクリートの下に埋めるわよ」
剥き出しのコンクリートをロファーでコツコツとすると、陽介は黙ってソファーに腰を下ろした
それを見てまた楽しそうに笑う夏樹
すると突然、そこにガチャとドアを開ける音が響いた
通称『幹部室』と呼ばれるここにノックなしで入ってくるのは、ここにいる私達以外あと二人だけ
限られた人間だけがこの部屋にいる中、現れたのは学校で『王子様』呼ばわりされているらしい澪(レイ)だった
澪「…ああ、だから言ったのに。『心配だから』って」
ニヤリと妖しい笑みをオマケに、パソコンを手にした澪は迷いなく足を進めると私の隣に腰を下ろす
私の隣は澪。これは二年前からずっと同じだ
咲「何で言ってくれなかったのよ」
今更になって理解する、電話越しで囁かれた澪の『心配だから』の意味
あれは、こうなることを予想しての言葉だったのだ
つまり、『心配だから』の目的語は、澪の読み通り私に殴られた陽介
澪「何のこと?俺はただ総長様が心配だっただけ」
そう言ってまた澪は妖しく笑う
フェロモン垂れ流しなんだけど、コイツ
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