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咲「総長じゃない。私はココを族だなんて思ってないわ」
目を閉じると瞼の裏側に映るのは、私を慕ってくれている仲間達の顔
咲「ただ…、ちょっと悪い奴らを殴るのが得意で、バイクが好きな仲間が月に一回くらい警察と鬼ごっこするだけ」
澪「うん。それを世間一般では『暴走族』って言うんだよ、咲良」
うるさいわよ、澪
クスクスと笑う澪が何となく悔しくて、プイッと澪から顔を背けると向かいに座る陽介と目が合った
猫みたいな目でジッとこっちを見ている
咲「…何?」
足を組み替えながら陽介にそう言うと、陽介は少し黙った後、フルフルと頭を振った
だが、それに夏樹が反応しないわけがない
夏「何だ何だ?いっちょまえにヤキモチかよ、陽介」
陽「馬鹿夏樹、だから夏樹は馬鹿なんだよ」
ベーッと舌を出した陽介
夏樹はそれを見て私の所までやって来る
夏「咲良~、お前の猫、しつけがなってねぇぞ―」
私の肩に手を回して、私の顔をのぞきこむ夏樹
グレーのカラコンが付けられた目がビー玉みたいに、私を見つめる
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