私と騎士

7/17
前へ
/128ページ
次へ
こうしたら、陽介が不機嫌になることを夏樹は知っているのだ───いや、皆知っている だけど、今日はいつまで経っても飛んでこない拳に、夏樹は不思議そうに顔を上げる その途端、夏樹は容赦なく爆弾を落とした 夏「あ?何、お前ら。もしかして別れたのか?」 …白状しよう。この真ん前に座るお馬鹿代表の陽介は、私の彼氏である 澪「え、別れたの?咲良」 パソコンから目を離した澪は、少し楽しそうに私を見る それに何も答えずにいると、目の前の陽介はチラチラと気まずそうに私を見た 咲「…」 何も言わずに陽介と視線を絡ませると、陽介はビクッと震え上がる 野獣か、私は 夏「へぇ~、別れたのか。いつ?」 澪「じゃあ俺にしない?咲良の気が変わらない内に」 興味津々で聞いてくる夏樹とフェロモン垂れ流しの澪 ハァと溜め息を漏らして口を開こうとすると、陽介がガバッと立ち上がった 陽「わ、別れてねぇって!!」 部屋中に響く声で叫ぶように言い放った陽介は、今にも目からポロッと涙が零れそうだった
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

297人が本棚に入れています
本棚に追加