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こうしたら、陽介が不機嫌になることを夏樹は知っているのだ───いや、皆知っている
だけど、今日はいつまで経っても飛んでこない拳に、夏樹は不思議そうに顔を上げる
その途端、夏樹は容赦なく爆弾を落とした
夏「あ?何、お前ら。もしかして別れたのか?」
…白状しよう。この真ん前に座るお馬鹿代表の陽介は、私の彼氏である
澪「え、別れたの?咲良」
パソコンから目を離した澪は、少し楽しそうに私を見る
それに何も答えずにいると、目の前の陽介はチラチラと気まずそうに私を見た
咲「…」
何も言わずに陽介と視線を絡ませると、陽介はビクッと震え上がる
野獣か、私は
夏「へぇ~、別れたのか。いつ?」
澪「じゃあ俺にしない?咲良の気が変わらない内に」
興味津々で聞いてくる夏樹とフェロモン垂れ流しの澪
ハァと溜め息を漏らして口を開こうとすると、陽介がガバッと立ち上がった
陽「わ、別れてねぇって!!」
部屋中に響く声で叫ぶように言い放った陽介は、今にも目からポロッと涙が零れそうだった
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