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無言状態が数分続き
口を開いたのは
ドライバーの方だった。
「寒ない?」
またかい!
またタメ口かい!
「大丈夫です」
下を向いたまま即答した。
そしてまた無言…
無言5分経過…
無言10分経過…
気まずい…
コイツ嫌ー!!
お客様が女の子をチェンジする時同様
私も
ドライバーチェンジ!
と言いたかった…。
その時!
サイレンの音がして周りを見渡した。
救急車もパトカーもいない。
前を見ると
ドライバーが携帯をポケットから取り出していた。
お前の着信音かい!
紛らわしいな!
電話の相手とは普通に会話している。
それを見て余計にイライラした。
送迎中は仕事なんだよ!
私用は後にしろ!
そんな事考えているうちに
ホテルに着いた。
黙って降りようとする私に
「はい、行ってらっしゃい」
と言ってきた。
それを無視してドアを思いっきり閉めて
お客様の部屋へ向かった。
いつもの様に事を済ませ
お客様と別れて
迎えに来たのは
やっぱコイツ!
着信音がサイレンのドライバーだった。
車に乗ると
「お疲れ」
と言われた。
お前に言われくねーよ!
少しキレ気味に
「お疲れです」
と一言だけ言った。
まさかこれからもコイツが
ドライバーをするなんて
思いもしなかった。
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