第二話 決意、旅立ち

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「ネリーから聞いたよ。急な話だが、みんなにも声をかけてね」 ケータの肩にそっと手を乗せた。 「私は肉よ!」 「俺は野菜だ!」 「マントに寝袋!」 みんながそれぞれ思い思いに旅立つものを準備してくれていた。 決して裕福ではない、この村の人々の優しさだった。 「皆さん……ありがとう」 ケータは心の底から思った。 ありがとう、この言葉にこんなに思いを込めたのは、 初めてだった。 「……もう行くんだろ?この村、フランシスカはいつでも君を歓迎するからな!」 「……え?」 「驚くことはないだろう!なあ、みんな!!」 村人から肯定の返事が返ってくる。 が、そこは申し訳ないが大して重要ではなかった。 「…………」 しばし、ケータは言葉が出なかった。 「ケータ。ケータは、この村の英雄だ!だから、我が家のようにいつでも村に帰ってきなさい」 こんな怪しい旅人――正確には旅人ではないが、 こんな優しい言葉をくれるこの村人達は底抜けに優しいのだろう、とケータは勝手に勘違いをしていた。 この村が閉鎖的であり、あまりよそ者は好まれない村だとは、 ケータは夢にも思わないだろう。 ただ、優しい云々は大変申し訳ないがケータにとってあまり重要ではなかった。 (これ、今すぐ村から出て行くってこと!?……そういうこと!?) ケータは別の意味でも泣きそうになった。
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