第一章 第一話 始まりの村

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村の名前はフランシスカ。 何もない小さな村、特に栄えたものもなく、静かな農村である。 「ネリー!薬草取ってきたぞ!!」 そんな小さな農村の外れ、黒の鎧を纏った少年が薬草片手に道具屋を訪れた。 年の頃は十七、十八歳くらいであろうか、少しあどけなさが残る顔つきに、肩あたりまで伸びた黒髪は少しボサボサだった。 「……また薬草?じゃあ一つ一ゴルドね」 その店主、ネリーはその少年に向かって大きくため息をはく。 「二ゴルドだろ!?」 「一ゴルドよ」 ネリーはいつもポーズ――両肘をつき、ダルそうに頬に手を当てている。 赤色の髪、ツインテールもどこか元気がなさそうである。 「また値下げかよ……」 「ケータ……あんたね、うちを薬草で潰す気なの?」
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