序章

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 世界の中心に位置する(と、考えられている)広大な大陸【トリムールティ】。  この大陸には世界最高峰の山【リンカ】がそびえる。  【リンカ】の名は世界中に知られているが、山の頂に存在する古い遺跡の存在を、知る者は少ない。  『古い』の一言では語りつくせない、悠久の時の彼方から現在に至るまで、遺跡は山の頂に立ち、世界を見下ろしてきた。  その遺跡の名は【魂の門】。  この世のすべての『魂』は、そこから世界へと広がり、そこから世界に別れを告げる。  『魂』が生まれ出る場所。  『魂』が帰りつく場所。  それが【魂の門】と呼ばれる遺跡の『正体』だ。 『魂の量は常に一定であり、増えることも減ることもない。どこかで何者かが死を迎えたなら、どこかで何者かが産声を上げる。「人」が世界でその数を増せば、他の「生物」が姿を消す。魂が「人の側」に流れていくためだ。』  これが『魂の法則・第一定理』  [魂の絶対量は常に一定である] 【魂の法則に関する考察】 アタナシウス=キルハ著
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